2026/10/16 07:00
富士山のふもと、精進湖。
J’s Kitchenの工房がある場所です。
周りには森があって。
少し歩けば湖があって。
季節によって、山の色も、空気も変わります。
そんな場所で、私たちは毎日、犬たちのごはんをつくっています。
そして、私たちがごはんづくりで大切にしているものの一つが、
「水」です。
料理をするとき、何を使うかと聞かれたら。
まず思い浮かぶのは、お肉や魚、野菜かもしれません。
山梨県産の鹿肉。
甲州地どり。
富士の介や甲州ワイン鱒。
そのときどきに出会う国産の魚。
季節の野菜。
もちろん、どれも大切な素材です。
でも、ボーンブロスや煮込みをつくるとき、もう一つ欠かせないものがあります。
それが、水です。
J’s Kitchenでは、ボーンブロスや煮込みなどの調理に、富士山麓の天然水を使っています。
骨や肉、魚の頭や皮。
それぞれの素材を丁寧に下処理して、鍋に入れる。
そこへ、水を加える。
そして、時間をかけて火を入れていきます。
最初は透明だった水が、少しずつ変わっていく。
色がついて。
香りが立って。
素材から旨味が溶け出していく。
鹿の骨や筋を煮込んだときには、深みのあるブロスに。
魚の頭や中骨を煮込んだときには、魚ならではの香りと旨味を含んだブロスに。
同じ水を使っていても、素材が変われば仕上がりはまったく違います。
それが、ボーンブロスづくりの面白いところです。
水は、目立たない材料です。
完成したごはんを見ても、どんな水を使ったのかは分かりません。
お肉なら、見た目で分かることがあります。
野菜なら、色が残ることもあります。
でも、水は違います。
形が残るわけではない。
名前が見えるわけでもない。
それでも、ブロスの中には、調理に使った水がそのまま含まれています。
だから私たちは、水も一つの素材として考えています。
特別な効能を期待しているわけではありません。
天然水を使えば、必ずおいしくなるという話でもありません。
ただ、素材を選ぶのと同じように、調理に使う水も自分たちで選びたい。
そう考えています。
ボーンブロスは、材料がとてもシンプルです。
骨。
肉や筋。
そして、水。
魚のブロスなら、頭や中骨、皮などを使うこともあります。
使う素材によって、仕込み方も、火を入れる時間も変わります。
でも、共通しているのは、素材から引き出したものを水の中に受け止めていく料理だということ。
骨や肉を取り出したあとも、鍋の中には香りと旨味を含んだブロスが残ります。
冷えるとゼラチン質によって固まるものもあります。
さらりとした仕上がりになるものもあります。
魚によっては、脂が浮かぶこともあります。
それぞれの素材が持っているものが、仕上がりに表れます。
そして、ボーンブロスには、もう一つの役割があります。
それは、毎日の食事に水分を加えられること。
犬たちの中には、水をあまり積極的に飲まない子もいます。
そんなとき、いつものごはんにブロスを少し加えてみる。
あるいは、水で薄めて飲んでもらう。
香りがつくことで、いつもより興味を持ってくれる子もいます。
もちろん、みんなが同じように飲んでくれるわけではありません。
でも、水分を摂る方法が、水をそのまま飲むことだけでなくてもいい。
ごはんから水分を摂る。
そんな選択肢の一つとして、ボーンブロスを使ってもらえたらと思っています。
私たちが工房を構えている精進湖は、富士五湖の一つです。
富士山のふもとで、季節の変化を感じながらごはんをつくる。
それは、J’s Kitchenにとって、とても自然な日常です。
この土地で出会う素材もあれば、全国から届く素材もあります。
山梨の鹿肉。
地元の鶏や魚。
日本各地の海から届く魚。
季節ごとの野菜。
生まれた場所の違う素材たちが、精進湖の工房に集まってくる。
そして、富士山麓の天然水と一緒に、一つのごはんになっていく。
そう考えると、水は、いろいろな素材をつなぐ存在でもあるのかもしれません。
「何が入っていますか?」
と聞かれたとき。
私たちは、お肉や魚、野菜の話をすることが多いです。
もちろん、それがごはんの中心だから。
でも、ボーンブロスや煮込みには、もう一つ大切な材料があります。
普段はあまり目立たないけれど、欠かすことのできないもの。
毎日使うものだからこそ、丁寧に選びたい。
富士山のふもと、精進湖の小さな工房で。
今日も素材を選んで。
下処理をして。
鍋に水を加える。
そこから、いつものごはんづくりが始まります。
ごはんは、水から。
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