2026/08/12 07:43

J's Kitchenでは、商品ごとにレシピがあります。


素材の量。

加える水の量。

調理する温度や時間。


何度も試作をしながら、それぞれの素材のおいしさを引き出せるように決めています。

でも、実際に工房でごはんをつくるとき、レシピの数字だけを見ているわけではありません。


なぜなら、私たちが使っているのは、自然の中で育った素材だからです。


同じ魚でも、大きさは違います。

脂の乗り方も違います。

皮の厚さも、頭の大きさも、骨のまわりについている身の量も違います。


鹿も同じです。

身体の大きさも違えば、スネや肩、アキレスなど、それぞれの部位の大きさや筋、腱の入り方も違います。


野菜だって、一つひとつ違います。


大きさも。

水分量も。

甘みも。

香りも。


自然の中で育ったものに、まったく同じものはありません。


だから、レシピは大切にしながらも、最後は目の前にある素材を見ます。

触って。

香りを確かめて。

煮上がった状態を見て。


今日は少し脂が多いな。

この魚はいつもより身がたくさんついているな。

今回の鹿は筋や腱がしっかりしているな。

この野菜は水分が多いな。


そんなことを一つひとつ確認しながら、その日の素材に合わせて調整しています。


大量生産の食品であれば、いつ買っても同じ色、同じ形、同じ食感であることは、とても大切なことだと思います。


でも、私たちが目指しているのは、そこではありません。


自然の素材が持っている違いを無理に均一にするのではなく、その日の素材のおいしさを、できるだけそのままごはんにしたい。

そう考えています。


だから、J's Kitchenのごはんは、毎回まったく同じ仕上がりにはなりません。


例えば、ボーンブロス。

前回より少し濃く感じることがあります。

冷蔵したときに、いつもよりしっかりゼリー状になることもあります。

反対に、少しさらりと仕上がることもあります。


煮込みも同じです。


その日の素材によって、食感や色合い、とろみ、香りの強さなど、仕上がりに少しずつ違いが生まれます。

同じレシピ、同じ工程でつくっていても、まったく同じにはなりません。

それは、作り方を変えているからではありません。


目の前にある素材が、一つひとつ違うからです。

もちろん、違えば何でもいいとは考えていません。


安全に食べてもらうための下処理。

調理時間や温度。

骨や異物が残っていないかの確認。

衛生管理。


守るべきところは、毎回きちんと守ります。


そのうえで、素材によって変わる部分は、人の目と手で確認しながら仕上げていく。

それが、小さな工房で手づくりしている私たちのごはんです。


前に食べたものより、今日は少し濃い。

今回は、色が少し違う。

いつもより、とろっとしている。

香りが少し強く感じる。


そんな違いに気づくことがあるかもしれません。


それも、その日に出会った素材の個性です。


私たちは、それをできるだけ均一に消してしまうのではなく、自然の素材を使っているごはんの楽しさとして届けたいと思っています。


魚も。

鹿も。

地どりも。

野菜も。


同じものに見えて、一つひとつ違います。


今日工房に届いた素材を見て、触って、香りを確かめる。

そして、その素材に合わせて手を動かす。


今日のごはんは、今日の素材から。


明日には、また少し違う素材との出会いがあるかもしれません。

そんな小さな違いも大切にしながら、今日も富士山麓の小さな工房で、一つひとつごはんをつくっています。


商品一覧はこちら

https://shop.jskitchenfuji.com/items/all