2026/07/13 08:00


犬は、

「おいしい。」

とは言いません。


でも、

私たちは毎日、

その言葉を聞いています。


夕方の散歩から帰ってくると、

少し休んで、

決まってキッチンの方を見ます。


「そろそろ、ごはんだよね。」


そんな顔で、

目をキラキラさせながら、

近寄ってきます。


雨の日も同じです。


散歩に行けなくても、

いつもの時間になると、

キッチンまで歩いてきます。


「今日は何かな。」


そんなふうに、

期待してくれているような目で見つめられると、

自然と笑ってしまいます。


そして、

食べ終わったあと。


満足そうにお皿から顔を上げて、

床に身体をこすりつけながら、

ゴロン、ゴロン。


私たちはそれを、

「おいしかったの舞」

と呼んでいます。


犬は、

言葉では伝えません。


でも、

待っている時間。


湯気を見つめる目。


夢中で食べる姿。


空っぽになったお皿。


そして、

「おいしかったの舞。」


その全部が、

「今日もおいしかった。」

と言ってくれているように思うのです。


私たちは、

その言葉にならない「おいしい。」を、

これからも大切に作っていきたいと思っています。